こんにちは、Seedおじさんです。
今回は、富士宮市に今も残る在来の野菜についてお伝えします。
ある地域で世代を超えて自家採種で継承されながら文化の一部にもなっている作物を「在来品種」や「在来種」と呼びます。富士宮市の北部、白糸地区で昔から繋がれている、白糸在来きゅうり「はんじろう」の話を一年前に掲載しました。
この在来きゅうりは、ずんぐりとした形状で色は若草色で、緻密なしっかりした食感で香りが良いのが特徴です。その昔、山梨から富士宮市北部に開拓者として移住された方と共に旅をしてきたと言われています。かつては牛を飼っていて、牧草刈りに出かけたときに水筒の代わりにこのきゅうりを持って行ったそうです。
Seedおじさんもこのきゅうりを大切に繋いでいますが、糠漬けにすると、とても美味しいです。大きくなった実は肉質がしっかりして炒め物にも合います。
昨年、全国の在来品種を調査研究されている山形大学の江頭先生が、農水省のプロジェクトで「はんじろう」の調査に来られました。今年から
「はんじろう」は在来品種として国のデータベースに登録、公開されました。嬉しい限りです。多くの方にこの「はんじろう」を知ってもらい、未来に繋がっていくことを祈りながら、今年もたね採りをしました。たねを採るには、黄色く完熟した状態まで畑で実らせます。写真を見てください。食べ頃は淡い緑、そして徐々に黄色く大きく熟します。
今までコツコツと、たねの交換会やSeedCafeなどを通じて
「はんじろう」のたねをお分けしてきていますが、少しずつ、たねを繋ごうとしてくれる方が増えてきています。近年、自分で野菜やお米を作ることに前向きな方々が増えていますが、化学肥料や農薬などの人工資材を使わない方法を志す、健康志向だけでなく、子どもの未来や、環境や自給力を併せて考える方々が増えています。今年は、そういった方々と家庭菜園の教室や農学校で繋がりながら、栽培状況や方法などをSNSで共有しつつ、「はんじろう」の素晴らしさを伝えています。
在来種は、そもそも化学肥料や農薬といった現代の農法が無い時代から繋がれてきています。地域の環境に適応し、美味しさゆえに食文化と共に繋がれてきました。
近代育種の市販の交配種のたねは、地域の環境や自然と共存することを得意としないので、「○○農法」が必要になります。何を入れるとか、何をどれだけ散布するとかの技術です。一方、その地域で繋がれてきた在来種は、環境と自然が育ててくれます。たねを繋ぐことは、持続可能な未来を作ることに繋がるのです。この言葉が持つ意味が重要な時代になりつつあると思います。

